今日も今日とて、満員電車に揺らり揺られて
仕事場向かって一直線。
僕は日本のサラリーマン
「VIERA」の広告がでかでかと吊るされており、
山手線車内の冷房の風に、ふらふらと弱々しくなびいている。
「綾瀬みるか・綾瀬とるか」なんて、くだらないキャッチコピーを付けられている。
昭和の漫才師じゃあるまいし、
「綾瀬みるか・とるか」って・・・
ま、そんなことより、このビエラのCMでいつも気になるのが、
この2人、広告上の設定では”姉妹”ということになっているらしいが、
姉妹感はまったくなく、これといってCM上のストーリーがあるわけでもなく、
共演の必要性がまったくないのである。
例えば、液晶の美しい製品なら小雪、
機能重視の製品なら綾瀬、みたいな住み分けがあるかと思えばそんなことはなく、
本当にタイプの違う二人が、
バラバラに、それぞれに、適当に、商品をアピールしてくるので
統一感が全くなく、”なんなんだ?”といつも思ってしまうのである。
小雪、綾瀬ともに、超のつく一流女性タレント(女優)である。
それぞれ一人ずつでも十分印象もよく、インパクトも与えられるはずである。
それなのに、こうして二つの主役を並べられると、なんだが他人事ながら「もったいない」と言わざるを得ないのだ。
なんか、晩飯にカレーとおでんを同時にだされちゃったみたいな。
「どっちかでいいのに」って言ってるのに
お母さんに梨とブドウを同時に出されちゃうみたいな、
さらにはこのポジションにはイタリアの王子様トッティがいるのに中田をとっちゃうみたいな・・・・・そんな感じ
仮に小雪が1000万円のタレントだとしよう
おそらく綾瀬はるかも引けを取らない1000万円くらいのタレントだろう。
すると2人を起用するのに2000万円かかるのである。
じゃ、一人しか使わない場合より、倍のインパクトがあるかといえば、そうでもなく、
なんか「無駄な金を使っている」気がしてならないのだ。
「お金、けっこう無駄に使ってますよ!」
たくさんのきれいどころの女優さんを起用した結果、消費者に
「おお~すげ~!超豪華!!ものすごいインパクト!!!」」という印象を与え、
結果、椿シャンプーは売れに売れた。
それに比べると、ビエラのCMの効率の悪さは計り知れない。
仮に「美しさ」の象徴として小雪を起用したいなら、
逆にブサイクな女芸人をバーターで使用するとか、
もう少し若手のういういしい少女を起用するとか、
更にはひたすら美しい景色を画面越しに見せるとか、
綾瀬はるかを使わなくても、製品をアピールする方法はあったはずである。
で、ここまで来たら言ってしまうが、
これは本当に言うのをためらった。
綾瀬はるかは押しも押されぬ映画スターだし、
小雪は今や「日本を代表する美人の象徴」みたいな扱われ方をしている。
だれもみんな「そんなもんかな」と認めてしまっているが
実はどちらもワシっ鼻で、顎がしゃくれていて、そんなに「美しい」わけではない。
もちろん、ブサイクとは言わないし、2人が人気者であっても文句はないのだが、
造形的にもっと整った美しい顔の持ち主は他にもいっぱいいる。
で、そんな2人の大物女優をCMで使って、これまでどれだけの効果が出ただろう?
ちゃんと勝っているのだろうか?
あの2人を同時に使うくらいなら、一人切って
一人分のギャラを消費者に還元してもらいたいのだが
パナソニックの社長さん、いかがだろうか?