娘「ただいま~」
母「・・・・おかえり・・・」
娘「あ~、疲れた。・・・なに?どうしたの?怖い顔して?」
母「・・・・・・・・・別に・・・」
娘「”別に”って・・・・沢尻エリカじゃないんだから・・・・」
母「だって・・・見てよこれ・・・」
娘「なになに?ああ~『イチハチ』ね。今日は何芸人?」
母「”○○芸人”は『アメトーーーク!』でしょう!」
娘「知らないよ。あたし塾で帰り遅いんだから。」
母「ゴージャス芸能人よ!セレブな芸能人の集まり!」
娘「ママも好きね~。どうせ怒るんだから見なきゃいいのに」
母「むかつくものほど見たくなるのよ!」
娘「ま、わからないでもないけど。誰これ?」
母「”ももえり”よ」
娘「あ~、あの熊田曜子のそっくりさんで、放火魔の?」
母「それは”くまぇり”よ!」
娘「そうなの?まあ、見た目からすると・・・人気キャバ嬢からモデルになって自分で商売か何かまで始めちゃった感じ?」
母「え?知ってたの?」
娘「うんにゃ。知らん」
母「なんでわかったの?」
娘「ま、そんな人、今、多いからね。」
母「確かに・・・。じゃ、この人知ってる?」
娘「う~ん・・・親が金持ちとか?」
母「なんでわかったの?」
娘「じゃなきゃあの年でゴージャスになれないでしょう?ギャルでブランド物持ってるってったらお嬢様かキャバ嬢よ。」
母「くっそ~むかつくわ~・・・小娘のクセに・・・」
娘「うわ~すっげ~。キャバ嬢時代月収1000万だって!!」
母「くっそ~。バカじゃないの。こんな小娘に金落とすって・・・」
娘「週に1回、2時間しかキャバクラに来ないのに予約が殺到でナンバー1だって!すっげ~」
母「・・・・寝るときタチの悪い蚊に刺されたらいいのに・・・・」
娘「ブランド物に月500万つぎ込むんだって!」
母「・・・・めっちゃ悪質な詐欺にだまされたらいいのに・・・・」
娘「二十歳そこらで最初に買った車がベンツで、それも3ヶ月で売っちゃったって!」
母「・・・・キャバ嬢同士でオカマ掘りあえばいいのに・・・・」
娘「あの人はおじいちゃんが大企業の創業者で、成人式に700万円の着物買ってもらったって!」
母「・・・・カレーうどん食べて黄色い斑点できたらいいのに・・・」
娘「しかも一人暮らしのために、おじいちゃんに3LDK(ン千万)のマンションをキャッシュで買ってもらったって!」
母「・・・・おじいちゃんの会社潰れたらいいのに・・・・」
娘「年に2回、家族でハワイ旅行!飛行機はファーストクラス!ホテルはスイート!」
母「・・・・ベッドの足に小指ぶつけてのたうち回ればいいのに・・・」
娘「キャバ嬢時代にお客さんに韓国のカジノに連れて行ってもらったって!軍資金もお客さんもちで!」
母「・・・・アカスリで背中ずるむけたらいいのに・・・・・」
娘「しかもカジノで全部負けて、悪いから(お客さんが買ってくれる)お土産は120万の時計で我慢したって!」
母「・・・・ウォッシュレットの水圧、気づかずめっちゃ強くなってたらいいのに・・・・」
娘「ももえりは、とあるパパが彼女のために200万円の打ち上げ花火を上げてくれたって!」
母「・・・・あいつの事業みんな火の車になればいいのに・・・」
娘「すごいね~、あたしもキャバ嬢になろうかな~」
母「・・・・なるべく不幸な形で死んだらいいのに・・・」
母「それは別にいい」
娘「山本モナさんは海外のおいしいレストランが紹介されたらすぐ食べに行くって」
母「あいつも別にいい」
娘「・・・・その基準は?」
母「所詮イロモノだから」
母「それも別にかまわない」
娘「・・・・その理由は?」
母「馬面(ウマヅラ)だから。外国のファッションショーって罰ゲームしてるようにしか見えないし」
娘「・・・・まあね。」
母「あたしが気にらないのは二十歳そこそこで金持ってることよ!」
娘「まあでも、しょうがないんじゃない?」
母「しょうがなくない!きっとあいつら”人生なんてちょろい”って思ってんのよ!お金のありがたみなんて知らないのよ!苦労しらずなのよ!」
娘「まあまあ。それなりに苦労もしてるって。」
母「そんなの苦労に入らないわよ!あたしが20代のころはね!」
娘「バブルで羽振り良かったんじゃないの?」
母「・・・・ま、そうだけど。」
娘「パーティーに出ただけでお金もらえたり、タクシー代もらたりしたんでしょう?」
母「まあね」
娘「けっこうプレゼントももらったんでしょう?いろんな人から。」
母「懐かしいわね~」
娘「キャバ嬢と大して変わらないじゃない」
母「違います!アタシはすぐにあんたが生まれちゃいましたから!」
娘「・・・なんか迷惑だったみたいね・・・」
母「あたしはキャバ嬢ごときに見下されるのは嫌なのよ!偉そうに!」
娘「しょうがないじゃない。向こうはお金持ってるんだから」
母「アリとキリギリスみたいになれ!」
娘「でもキャバ嬢もあがってる(=もう辞めた)みたいだし、自分で事業も始めてるみたいだからね・・・」
母「そんな会社、つぶれてまえ!」
娘「でもギャル対象の商売はね~・・・なんだかんだ言って、女の子はオシャレにはお金落としてくれるからね~」
母「ならみんなに嫌われろ!」
娘「でもギャルからの支持が根強いからね~。若い子はひがみよりも憧れてるみたいだしね。しかもセレブ生活よりは顔とかファッションのかわいさにね。」
母「高級マンションで男に毒をもられて一人で死ね!」
娘「ああ、押尾学みたいなやつにね」
母「孤独死せえ!」
娘「でも仕事がある限りは付き合いも多いだろうしね~」
母「葬式のとき、だれにも囲まれないで死ね!」
娘「それは悲しいね」
母「葬式のとき、陰口叩かれろ!」
娘「それは嫌だね~」
母「生まれ変わったらあたしになれ!」
娘「ああ、それが一番の罰ゲームかも・・・」
母「ああ!腹が立つ!なんであたしには金がないのよ!」
娘「パパに『慰謝料いらないから別れてくれ』なんて言ったからじゃない?」
母「ああ、なんであいつらがチヤホヤされて、あたしは再婚できないんだ!」
娘「年収1000万以上を求めるからじゃない?40代バツイチ・コブ付きのくせに」
母「でもそれだけよ?あたしが求めるのは。それ以外何もいらない!顔もブ男でいいし・・・」
娘「・・・・・あんた・・・生まれ変わったらカナブンにでもなったらいいのに・・・」