俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

グリンピースとは・・・

僕は晩御飯のカレーを見て唸った。

「ややっ!こ、これはグリーンピースか!!」


嫁がグリーンピース入りのカレーを作ったのである。

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それは朝のこと

その日もゆっくりと時間をかけ、申し訳ないぐらい大量に排便をしてしまったため、あと5分でシャツを着てネクタイを締めて、かばんに荷物を入れて出かけなければならない、というタイミングだった。

妻がいきなり「晩御飯は何が食べたい?」と聞いてきたのだ。

朝飯を食べて、その朝飯をすべてトイレに流した後にそんなことを聞かれてもすぐに答えられるものではない。

が、僕は速攻で「カレー」と答えた。

まあ、朝の身支度で考える時間もなかったこともあるが、カレーならまったく文句はない。

1週間連続で晩飯カレーでもいいくらい(ま、4日目には文句を言うだろうが・・・)

結婚前の3年くらいは、カレーすらほとんどレトルトで済ませたいた僕であるが、

結婚後に妻が作ってくれたカレーがまた旨かったのである。

普通に市販のルーで作ったカレーなのだが、ちゃんとした手作りカレーを食べるのが3年ぶりくらいだったので、ちょっと感激して思わず

結婚して良かった


なんてつぶやいてしまったのである。


で、2週間ぶりにそのカレーが食べたくなって、妻にリクエストしたのであるが、

晩飯に出てきたカレーに、大粒の緑色の豆が浮かんでいたのである。

妻は前回のカレーにもインゲン豆を1cmくらいに切ったやつを入れていたので、おそらく今回もなんかしらの青物を入れてくるとは思っていた。

が、意外にもそれはグリーンピースだったのである。

が、正確に言うと僕は「あれ?グリーンピースかな?」と確信が持てなかったのである。

僕が知っているグリーンピースに比べると、それは大粒で、色が淡く、ぷっくりと膨らんでいる。

僕は妻に

「もしかして、これって、生のグリーンピース?」

と尋ねると、妻は不思議な顔をして


と答えた。

「いやいや俺が聞きたいのは、生のやつを自分で茹でてカレーにいれたの?っていう意味だよ」

「・・・・・・・・・当たり前じゃん・・・」

そして妻は近所のいなげやで買った、さや入りのグリーンピースを僕に見せたのである。

「・・・・・・・・・・・・・」

す、すげ~~~!!


僕はたまげてしまった。

というのも生まれ37年、”生”のグリーンピースも、グリーンピースの”さや”も見たことがなかったのである。

「鶏に4本足を描いてしまう現代っ子」、「キャベツが木になると思っている都会っ子」というわけではない。

なのに、グリーンピースだけはその成り立ちを見たことがなかったのである。

豆だということはわかるので、サヤになるというのは当然といえば当然だが、

どうもグリーンピースというと、「冷凍のミックスベジタブルの入っているヤツ」と「焼売の上に勝手に乗っているヤツ」という認識しかない。

僕は豆は好きで、枝豆、ソラマメ、インゲン、金時豆などいろいろ食べるが、

グリーンピースは豆の仲間にさえ入れていなかった。

シワシワにしぼんだ、少し苦味のあるヤツ。

旨くもなんともない、むしろないほうがいいような”邪魔者”

そんな扱いだった。

ミックスベジタブルの中でも、「緑色」を担当するだけで、味は最悪

コーンはテンションが上がり、ニンジンもまあ納得できるが、グリーンピースはよけて食べる子供も多いのではないか。

その存在意義さえ疑わざるを得ないやつ

それがグリーンピースだった。

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しかし、妻のカレーに浮いていたグリーンピースはまず見た目からして違ったのである。

真ん丸に膨らんで、なんとなくソラマメを小さく丸くした感じで旨そうだ。


僕はまずはグリーンピースをスプーンですくって食べてみた。

すると・・・・

「お~~~これは・・・・・・・ちゃんとした”豆”じゃないか!」

ちゃんと味があり、中身がふっくらして、うまみがわかる。

枝豆やソラマメと同じような、完全な”豆”だったのである。

これがカレーにも合うし、きっと豆ごはんにしても旨いはず。


じゃあ、なんで俺は今までこの”豆”をちゃんと食べてこなかったのか?

というか、ほかの家庭はちゃんとグリーンピースをサヤからとって料理をしていたのだろうか?

うちだけが面倒臭がって冷凍のとか、缶詰のを使っていたのではないか・・・


そう思うとなんとなく恥ずかしかったが、

とにかくグリーンピースは・・・・・・・意外に旨い!!

ちゃんと親がサヤに入っているヤツを買ってきて調理して食べさせれば

少なくとも子供が嫌いになるような味ではない。

逆に言うと冷凍ミックスベジタブルのグリーンピースは旨みがないばかりか、苦味があるので、子供が嫌いになってもおかしくない。

両親よ!

あんたはラッキーだね。

なんでも食う味音痴の息子でラッキーだよ。

ま、もしかしたら妻もそれで助かってるのかもしれないが・・・

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