俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

要するに××でしょ?

昔ある国の王家に教育係として勤めている男がいた。男は次の王になる王子に帝王学を教えることになったのだが、次の王子はわがままで勉強嫌いだった。小学校でも先生の話も聞かず、宿題もせず、遊んでばかりいた。

王として学ぶべきことはたくさんあり、部屋いっぱいの大量の書物を読破しなければならなかったのだが、面倒くさがりの王子は教育係に「本棚1つ分にまとめてくれない?」と頼んだ。何百冊もの本から本棚1つ分に絞るのに数か月はかかる。しかし王子の機嫌を損ねては勉強してくれなくなってしまい、しいては代々王家の教育係として勤めてきた自分の家も取り潰しになりかねない。教育係は半年かけて本を精選した。そして王子に「ここにあるだけでも読んでいただければ帝王学の基礎は身に付きます」と言うと、王子は「ん~ちょっと多いな。ここに本の内容、1冊にまとめてくんない?」と言い放った。教育係は驚愕し落胆しつつ数年かけて何百冊もの帝王学の本の中から王として絶対不可欠な知識を1冊にまとめた。そして1冊の本を王子に差し出し「これだけ読んでいただければ・・・」と言ったところで「いや、厚すぎでしょ。広辞苑じゃないんだから。レポート数枚分にまとめてよ」と反論された。さらに数年を要し、言葉を削りに削り、表現を絞りに絞って王として覚えておくべき必要最小限のことをなんとか数枚にまとめることができた。十年以上かけてまとめた結晶のような帝王学の知識を他の執事たちに熱く語っていると、王子がひげをさすりながらやって来てこう言った。「おう、久しぶり。”今北産業”」

https://www.php.co.jp/family/detail.php?id=75884

昔、上のような話を聞いたことがあるのだが、出典が全く思い出せない。でもなんとなくこれからも同じようなことが起こるような気がする。

 

りあむ:部長って平成生まれでしたっけ?

YOHEI:うん、まあね。

りあむ:今、平成レトロブームなんですよ。知ってます?

YOHEI:へ~、そうなんだ。懐かしいなぁ。

りあむ:ハリーポッターとか結構みんな動画で観たり、宇多田ヒカルとかは俺も踊ったりしてるんですよ。

YOHEI:へ~、宇多田ヒカルなんて、君が生まれる前じゃない?

りあむ:そうっすね。うちの母親が聴いたんで自然に・・・。

YOHEI:ハリーポッター、俺も好きだったな~。誕生日に本買ってもらってさ~。

りあむ:平成っすね~。紙の本ですか?

YOHEI:そうそう、紙の本。昔はみんな紙だったんだよ。

りあむ:いやもう、本読むこと自体ありえないっすよ。俺生まれて一冊も本読んだことないっすよ。

YOHEI:え、でも小学校とか中学校で「本読め」とか言われなかった?

りあむ:いえ、全然。テキストも動画だったし。

YOHEI:まじか。マンガくらいか?読むの。

りあむ:そうっすね。スマホでさくっと。

YOHEI:あれ?縦で読んでる?

りあむ:マンガって、縦でしょ?こう(縦に)スクロールして・・・

YOHEI:ああ、そうなの。俺が子供の頃は単行本を買って読んでた

りあむ:いやいや、さっきからマンガを”読む”って、本じゃないんだから。

YOHEI:え~、もうマンガも”読む”感じじゃないんだ。”見る”だけなんだ。

りあむ:そりゃそうでしょ。マンガなんだから。

「もう『本を読め』とも言えない」「チャットGPTでもっともっとバカに」高校教師が絶句。 イマドキ高校生の国語力があまりに絶望的な理由。(FORZA STYLE) - Yahoo!ニュース

YOHEI:ま~今はそうか。でもハリー・ポッターなんてよく観られるね。

りあむ:ま、12分くらいならがんばれば。

YOHEI:12分?え?映画12分?

りあむ:12分。動画で編集しているやつ。だって2時間の映画なんて観れるわけないじゃないですか。今、映画館でやってるやつだって1時間くらいですよ。

YOHEI:た、確かに。この前子どもと見に行った映画『ドラえもん』30分だった。

りあむ:子どもなんて集中力続かないからとにかく秘密道具いっぱい出さないとね。

ワーナー公式ハリー・ポッター解説【動画】「ディスカバー・ハリー・ポッター」日本語版配信始まる♪毎週 水曜日 配信|魔法界ドットコム ハリー・ポッター  & ファンタスティック・ビースト Harry Potter & Fantastic Beasts ファンサイト

YOHEI:で、君は12分のやつを何シリーズか観てるの?

りあむ:あ、僕はまだ観てないっす。そもそもハリーポッターってどんな話なんですか?

YOHEI:あの~、昔イギリスに孤児の少年のハリー・ポッターっていう子がいて、その子のところにホグワーツ魔法魔術学校への入学許可書が届くのよ。ハリーの両親は有名な魔法使いで、ハリーも魔法使いの血を受け継いでたのよ。それで学校に行くときの入り口が・・・

りあむ:すみません、ちょっと長いんで・・・簡単に言うと・・・なんですか?

YOHEI:簡単に言うと?

りあむ:あの、細かいことはいいんで、結局何の話ですか?

YOHEI:魔法使いの話?

りあむ:ああ、で、戦うんですよね。

YOHEI:うん、まあ。

りあむ:なるほど。わかりました。

YOHEI:え・・・それでいいの。

りあむ:OKっす。

YOHEI:いやいやいや、ハリーポッターの魅力ってそんなもんじゃないのよ。もったいないよ。あのファンタジーの世界と現実世界の融合!魅力的なキャラクター同士の人間模様!緻密なストーリーと伏線回収。細かい映像の描写をだねぇ、一度じっくりと・・・

りあむ:でも時間もったいないじゃないですか。ハリーポッターって、魔法で戦って勝つんですよね。

YOHEI:まあ、そうだけど、映画の魅力ってそれだけじゃないじゃない?

りあむ:でも映像がきれいで、キャラクターがおもしろくて、ストーリーもおもしろいんでしょ。それは今わかったんで。じゃ、見る必要あります?もう知ってるのに。その時間があったら他のことに時間を使ったほうが良くないですか?

YOHEI:いや、そういうことじゃないんだよな。もっと作品の奥深さをじっくり味わうと余韻に浸れて、感動したり興奮したり、勇気をもらえたり・・・

りあむ:ま、じゃ動画見てみますよ。でもストーリーも大体わかってるんで。

YOHEI:だから!わからんかな~、俺の言いたいこと。

りあむ:わかってますよ。ハリーポッターは面白いから観て見ろってことでしょ?

YOHEI:ん~~、そうなんだけど、それだけじゃないんだよな~。わかってもらえんかな~、あれ?俺の説明が悪いのかな~。

りあむ:そうっすね。ちょっと説明長いっす。ネット見ればわかることなんで。

YOHEI:・・・そうだよね。さ、じゃ休憩はこれくらいにして、さっきの企画書でもチェックするか。

りあむ:え?チェック?Chat-GPTで作ったのを?

YOHEI:ま、一応ね。

りあむ:AIで作った企画書のミスを人間が見つけられるわけないじゃないですか。平成じゃあるまいし。今、令和20年っすよ。どうしてもしたいなら他のAI アプリでチェックすればいいんじゃないですか?その時間SNS見てた方が時間を有効に使えますよ。

YOHEI:・・・そ、そうだよね。平成生まれはまだ働くクセが・・・

りあむ:ははは。部下に文字を読ませるなんてパワハラって言われちゃいますよ。

YOHEI:ごめん・・・。


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