TBS「K-1ワールドMAX2009 世界一決定トーナメント準々決勝」を見た。
いや、なかなか見ごたえがあって面白かった。
まずは見るたびに体が大きくなるHIROYA(17)
体ばかりか、態度もでかくなっているのが気になるが、やはり逸材。
見るたびに攻撃も重くなっていて頼もしい。
おそらく将来はMAXではなく、ヘビー(100kg)で戦うような気もする。
最後は完全に攻め疲れをするなどと青さも残ったが、
エキジビジョン以外では初めて(?)の大人との対戦にしては良かったのでは?
もっと挫折があってもいいぐらい。
今のうち、ノックアウトで負けるぐらいの経験をさせたほうがいいと思うのだが。
谷川貞治のヒーロー養成計画に、潰されないことを祈る
つづいて山本“KID”徳郁の豪快な1R KO負け
いや~、そう来ましたか・・・
なんか、最近、選手の年齢で勝ち負けを予想してしまうクセがついてしまい、
負ける気がしました。
少なくとも、もう彼には「神の子」の力はないでしょう。
一つの時代の終わりを感じました。
その名に恥じない名勝負でした。
KO決着にはならなかったけど、最初から最後まで手に汗握る
まさに「お手本」のような試合でした。
MAXのファイターがすべて彼らぐらいのレベルがあれば、もっと面白くなるのに。
とにかくこの2人、攻撃力、防御力、精神力、勘、試合の作り方
全てにおいて秀逸
すんばらしいのである!
”Two times champion”アンディサワーはスロースターターではあるが、
コツコツと重いローを蹴りつつ様子を伺い、
”ここだ!”と思ったときのラッシューは鬼気迫るものがあり、相手を圧倒してきた。
一方、見るたびに強くなる成長株、キシェンコは、長い手足から重いロー、ボディ、フックで相手を攻め立てるが、今回は相手ともつれた後の足払いを見せるなど、狡猾な面も見せた。
今回、若僧に足を払われ、恥をかかされた形となったサワー。
鬼の形相で怒りのラッシュを放つ
ほとんどの相手はそんなサワーの迫力に押されてしまうのだが、キシェンコはそこでもう一押しできる攻撃力がある。
とにかく一進一退。
いや~、おもしろい!!
これぞ至高の試合!
MAXにおける最高のカード!
堪能しました。
そしてメインイベントの魔裟斗VS川尻 戦
終わってみれば、魔裟斗の圧勝でしたね。
僕は横柄な人は大嫌いなんですが、やはり魔裟斗と川尻では差がありすぎて
ますます魔裟斗選手を調子づかせてしまいましたね。
前半はパワーで川尻が押すと思っていたのですが、
そこはやはりヘビー級とミドル級の違い
スピードとフットワークのあるチャンピョン魔裟斗にパンチを当てることは難しく、
当たったとしても単発
また魔裟斗の正確で的確で素早いパンチをかわすことはできなかったようです。
くっそ~、魔裟斗強え~な~。
川尻は「ノーガードで打ち合う」と言っていたが、まさか本当にガードせずに突っ込むとは
まさに魔裟斗の思う壺
ミドル級では”打ち合い”というより、”差し合い”になる
だからパンチが早く、正確で、相手をよくみている魔裟斗のほうが絶対有利
川尻はパワーでパンチを振り回すしかなかったようだが、それでは魔裟斗を追い込むまでにはいかない。
もちろん、魔裟斗選手もフル装備で鍛えてきたんだろうけど
終わってみれば「楽な試合」あくまで結果論ですけど)
もっと言えば、「茶番」(あくまで結果論ですけど)
こんな試合、メインじゃなくて、セミの前ぐらいのエキシビジョンでやればよかったですね(あくまで結果論ですけどね)
で、実は僕が一番興奮した試合は、山本優弥VSドラゴなんです。
結果は山本の判定勝ちだったんですが、この山本という選手
実に日本人の心をくすぐる選手なのだ。
「ベスト8に残ったファイターの中で一番弱い」
自他共にそう認められ、戦前の予想ではベスト4常連のドラゴ圧倒的有利
一方の山本
これまでの試合は全てボロボロになるまで打たれ、ダウンを奪われ
それでも前に出て、起死回生の一発を浴びせて勝ち上がってきた
まるで漫画『はじめの一歩』の主人公、幕の内一歩のように、泥臭い試合が多いのだ。
今回の試合も、山本はボコボコに打たれながらも前に出て行く。
ドラゴは下がりながらも的確に山本のアゴや側頭部にクリーンヒットさせていく。
山本は何度もきれいにパンチをもらいながらもパンチを出していく。
しかし山本のパンチはドラゴのガードの上か、ガードに当たってから顔面に到達するため威力が半減してしまう
それでも山本はとにかくパンチとキックをがむしゃらに出していく。
クリーンヒットは少なく、小当たりのパンチにしかならないが、それでもどんどん手を出していく。
「面倒臭せ~な~」と思いながらも、ガードで守り、合間を縫ってパンチをきれいに当てていくドラゴ
山本にも披露とダメージが蓄積されていく。
判官贔屓(はんがんびいき)が好きな日本人は、格好悪くもがむしゃらに前に出て行く山本に徐々に心を奪われていく。
しかし実力差は歴然
余裕のドラゴ・・・・・・・・・ではあったが、山本は攻撃を止めない。
次第に山本得意の泥仕合に持ち込んでいく
徐々にドラゴが山本の攻撃を嫌がり始める。
もうこうなると観客もテレビの視聴者も手に汗を握り、山本を応援せざるを得なくなる。
山本がポイントをリードしていることがわかると
「とにかく打て~!!」「早く時間が過ぎろ!早く!早く終われ!」と悲痛な叫びを放つ。
そして試合終了。
「勝った・・・・・勝っちゃったよ・・・・・ベスト4だよ~、絶対無理だよ~・・・」
でもなんだろう・・・この誇らしげな気持ちは・・・
無様でも、格好悪くても、前に進んでいく、最高に格好いい男・山本優弥
次の相手は、僕が優勝候補筆頭に上げている「ジョルジオ・ペトロシアン」
ああ、無理だわ・・・・・一番、やっかいな相手だ・・・・。
ペトロシアンは手足が異様に長く、相手の攻撃をよけるのが異常にうまく
山本にとっては一番やりにくい相手。
前に出てくるタイプではないので、泥仕合に持ち込みにくい相手なのだ
正直、にっくき魔裟斗を倒すためにはペトロシアンじゃないとダメ
でも山本にもがんばってほしい・・・
う~む、どうしたらいいんだろう・・・・
ま、とにかく、僕が今回の中継を見て、一番いいたいことは
佐々木希のメイクが異常に気持ち悪かったということだ。
白目が妙に大きかったような気がしたんだが・・・・・・・・目、整形した?