俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

定額給付金forとある姉妹

美香「はあ、ただいま・・・」

恭子「あら、美香さん、どこ行ってらしたの?」

美香「”どこ行ってらしたの”じゃないわ。恭子さん、またメンズとのお約束すっぱかして。私、その方に他の女性をあてがったりして大変だったんだから。」

恭子「そんなことより美香さん、ちょっとよろしいかしら?」

美香「ちゃんと話を聞いてください!」

恭子「約束なんだから変わることもあるわよ。それより聞きたいことがあるの」

美香「ごめんなさい、ちょっとこれから明日のスケジュール管理をしないと・・・」

恭子「いいじゃないの美香さん。今日、ジェフが言ってたんだけど、」

美香「ジェフ?また新しいメンズの方?」

恭子「定額給付金て何かしら」

美香「恭子さんには関係ありませんわ。それより明日のダウンタウンDX・・・」

恭子「ねえ、定額給付金て何かしら?」

美香「衣装は先日モナコで買ったドレスで良くて?アレにスペインの伯爵にいただいたペンダントを・・・」

恭子「ねえ、美香さん」

美香「なに、恭子さん」

恭子「定額給付金て何かしら?私、今、知りたいの?」

美香「・・・」

恭子「ほら、白ジャガーのアリオスも美香さんに聞きたがってるわ」

美香「お姉さま、アリオスは檻に戻して・・・。定額給付金は・・・麻生総理が国民にくれるお金のことですわ」

恭子「あら、いいじゃない。首相からいただけるの?」

美香「まあ、直接ではないでしょうけど」

恭子「私、昨日、ドバイで素敵なイアリングを見つけましたの」

美香「・・・」

恭子「首相からプレゼントをもらえるみたいね」

美香「美香さん、全員がもらえるわけじゃないらしいわ。」

恭子「あら?そうなの?」

美香「もらえるのは収入が一定額以下の方らしいわ」

恭子「まあ。おいくらほどかしら?」

美香「年収1800万円くらいを上限にするらしいわ」

恭子「まあ、それじゃほとんどの方はもらえないのね?」

美香「・・・。美香さんのお友達はそうでしょうね。でも上限を設けない市町村もあるらしいわ。」

恭子「それはいいわ。せっかく首相がくださるんだからいただきたいわよね。」

美香「でも市町村の窓口で登録しなければならないわよ」

恭子「自分で?それは面倒よ」

美香「でもそういうルールですわ」

恭子「代わりに行ってもらいましょう」

美香「・・・どなたに?」

恭子「それはまあ、ね、美香さん」

美香「私?!もう!私そんな時間ありませんわ!」

恭子「あらそう?じゃ、メンズに頼もうかしら」

美香「恭子さん、そろそろ何でも自分でおやりになったらどうかしら?」

恭子「でもやってくれると言うメンズがいるんだからいいじゃない。」

美香「・・・」

恭子「あ!そろそろ新しいリングも必要よねえ」

美香「あの、恭子さん、言うの忘れてましたけど・・・」

恭子「いついただけるのかしらね」

美香「恭子さん・・・」

恭子「今年の毛皮のコートもまだ用意してませんわ。もう、だいぶ寒くなってきたのに!」

美香「・・・それなら服をお召しになったら?せめて下着くらい」

恭子「いいじゃない、家の中くらい。え?電話?ポールから?」

美香「あの、恭子さん、定額給付金は」

恭子「美香さん、今、電話中!邪魔なさらないで。Hey,Paul,can you come here?Yes,just Now!」

美香「・・・」



定額給付金の額を知ったら姉はどんな反応をするだろうか。

ペットの猛獣達をしばらく別の場所に預けようと思う、美香であった。