ある日、Twitterを見ていたら「『世界の果てまでイッテQ』内でホロライブのCMが流れた!しかも1分も!」とかなんとか話題になっていた。
なんのこっちゃと思って先週の放送を観返してみたら、美少女アニメのキャラクターみたいなものがたくさん出てくる”日清カレーメシ”のCMが流れていた。
なんでこんなので盛り上がってんだろう?そもそもホロライブとはなんぞや?と思って調べてみたら、どうもその世界では有名なキャラクター(Vtuber?)らしい。
なんでもそのキャラクターで配信をすればそれを見ている人が投げ銭をしてくれて、その額がとんでもないことになるという。
はあ・・・さよか。
話は変わってある日のこと。僕は山手線に乗ろうと新宿駅からホームに降りるとちょうどホームに電車が入ってくるところだった。始発なのか客は一人も乗っていないのだが、その外観に唖然としてしまった。
な、なんじゃこりゃあ・・・
全車両美少女アニメのキャラクターがきれいにラッピングされており、ものすごい違和感を放っていたのである。
僕がオタクの外国人なら「オ~マイガッ!!サスガニッポン!ヘンタイ!ヘンタイ!」と大喜びで写真を撮ったろう。
でも僕はスーツを着たおじさんなのだ。
これはきつい。これに乗らなきゃいけないのか・・・。
これは何の罰ゲームだろう・・・。
勇気を出して車両に乗り込んでみると、内装も美少女アニメキャラ一色。
どうも新しいゲームの販促キャンペーンのようなのだが、ドアの上の車内広告動画によるとそのゲームは”7~8人いるタイプの違う妹たちがみんな自分を恋愛対象として見ている、さあどうする?”みたいなゲームらしい。
うわぁ・・・これ、きついな。
なんか広告見てると笑われそうだからとにかく外の景色を見るかスマホを凝視してなくちゃ、だな。
これに喜んで乗るやつって、どのくらいいるんだろう?
周りを見ると若い女の子、大学生風男子、おじさん・おばさん少々。
だが皆一様にこのラッピングトレインも車内広告も目に入っていないかのごとく、無表情で焦点の合っていない目をしている。日本人、すげぇ・・・。
これ、恥ずかしいのは俺だけなのか?
たまたま用事があって東京に来た俺だから恥ずかしいのであって、東京勤務の人は日常茶飯事なのか?
いやもう、恥ずかしくてたまらない。
なんというか・・・これを外国の人に見られることを思うともう恥ずかしくて恥ずかしくて・・・
こんな電車、世界中探しても絶対にないだろう。
でも胸を張れないし、できれば見てほしくない。
俺が恥ずかしがる必要はないんだけど・・・俺も含めて「日本人って・・・ロリコンのヘンタイだよね」と外国の人からは思われるんだろうなと思うと・・・。
ま、あながち間違いでもないし、確かに間違いなくこれも「ザ・日本」なんだけど、これを見られるのはやっぱり恥ずかしい。
こういうのが好きな人には申し訳ないが・・・
でもよくよく見ると、この電車だけじゃない。
日本はそこらじゅう美少女アニメだらけ。
わざわざ秋葉原に行かなくても街のポスターも広告もそんなんばっかり。
もう隠しきれないほど日本はアニメの国、オタクの国、ロリコンの国、ヘンタイの国なのだ。
それは間違いなく日本の一面であり、事実なので仕方がないのだけど・・・
今やオタクもアニメもマイノリティではなく、日本のマジョリティになっているのがなんとも・・・おじさんにはキツイ。おじさんには今の日本は生きづらい。
Vtuberとかアニメとかは興味がなければ見なければいいだけなんだけど、電車は避けられない。
10代20代は「テレビはオワコン」なんてネットで叩いているのに、テレビCMに美少女キャラが使われたらテレビを熱心に見ているおじさん、おばさんは避けられない。
そのうちATMの案内パネルとかもVtuberとか美少女アニメみたいなのが出てきて、妙に甲高い声で「いらっしゃいませぇ~!ご主人様!」とか話し出すんだろうか。
最近は非接触型の案内が増えているし、将来的に人を減らしてAIがサービスする場面が増えていくと言われている。さらにコロナ以降はインバウンド事業や外国人労働者の受け入れにも力を入れなければならないから、日本的な案内で海外からのお客様をもてなさなければならない。
市役所の案内も、ショッピングモールの受付も、ファストフードのタッチパネル注文も、ホテルの受付もみんな初音ミクとかキズナアイみたいなキャラクターが出てくるんだろうな。それに70代、80代のじいちゃん・ばあちゃんが「すみませんねぇ、ご丁寧にありがとうございます」なんて頭を下げるんだろうな。
あ~あ、未来は明るいな・・・