日本テレビ系列『志村動物園』が好きである。
この番組はハズレがないのがいい。
基本、かわいい動物を見せていれば視聴率は安泰だし、見ている方もそれである程度満足できる。
志村園長と動物だけでいい。
が、最近レギュラーに昇格したタカ&トシだけは、ちょっと違う思い入れがある。
あれは「しゃべくり007」だったか?
タカ&トシは志村けんに「このままずっと”欧米か”で大丈夫か」「次のネタがない」と相談したところ、志村さんは
「バカヤローおまえ『欧米か!』をやり続けろ」
「死ぬまでやれ」
「飽きるんじゃないよ」
「 60 歳になっても『欧米か!』って、これウケるだろ?」
と答えたそうである。
確かに、芸人の中にはブレイクした途端、”バラエティー番組のMC”ばかりをやるようになったり
漫才のチャンピョンになっていながら雛壇芸人に収まったり、
番宣目的のゲストとおなじみのゲームをやるだけのバラエティを作ったり、
突然ネタを作るのを辞めてしまう勘違い芸人は多い。
志村けんは生涯一コント職人
ワンパターンと言われようとも、ずっとコントをやり続けてきた。
「もう飽きた」「つまらない」と客に思われても、自分の思い入れのあるキャラやギャグを演じ続けた
だからこそ、「変なおじさん」も「アイ~ン」も残ったのである。
そのこだわりは、崇高でさえある。
将来性のあるタカアンドトシにも、自分の芸を磨き続けてほしかったのだろう。
もちろん、コントの中で志村と絡めばタカトシは輝くことはできない。
そこで、たとえば居酒屋コントで志村けん扮する変なおじさんと絡む前に、
「居酒屋に入る前のサラリーマン」という設定で漫才をさせたのだ。
その設定はコントの中にあってはやや不自然ではあったが、それでも二人だけが立つシーンでタカがいつものようにぼけ、トシが突っ込む空間だった。
そして今、「志村動物園」で、タカトシは「動物ニュース」なるものを担当している。
フリップのシールをめくると同時に、タカがぼけ、それをトシが突っ込む。
タカ「埼玉の動物園で、チェ・ジウ(珍獣)大活躍!」
トシ「チェ・ジウじゃねーよ!」
タカ「チン・ジュウ」
トシ「チェ・ジウみたいに言うんじゃねーよ!」
志村けんがそのやりとりを温かいまなざしで見つめているのが実に印象的なのである。
話は変わるが
番組が始まった当初は、体も小さく、なんとも愛嬌があり、パン君の一挙手一投足に注目が集まった。
もちろん、頭の良さにも感心させられるが、むしろいたずらしたり、失敗したり、それをごまかそうとする姿が実にいじらしく、かわいかったのである。
しかし、現在、9歳のパン君は正直、あまりかわいくない。
もちろん、天才であることは変わりないし、志村園長に抱きつくしぐさもそのままなのだが、最近、大人になりすぎたのか、制御がきかなくなっている。
たとえば、いろいろな果物の中に置いてあるバナナを持ってくるように志村園長が命じると、
イチゴを食べ、ブドウを食べ、リンゴをかじり、最後にバナナの皮を志村園長に渡したり、
生け花をさせようと座敷に座らせると花を食べ、水やりの水を飲み、落ち着いて座っていられない様子。
なんか、大人しい親戚の子から、手の着けられない学級崩壊クラスの児童になりさがった感じ。
志村園長も苦笑いするしかないのである・・・
つまり、芸能界引退だ。
パン君もそろそろその時期に着ているかもしれない。
でも大丈夫。
パン君はもう、心おきなく引退してもらいたいものだ。
な、トシ?