俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

東野・岡村の旅猿

日本テレビ東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい・・・ベトナムの旅」を見た。

これがなかなか面白かった。

僕は割りとこういう芸能人の旅番組が好きでよく見るのだが、

正直、芸能人の旅番組には期待はずれのものも多い。


僕が嫌なのは、女性タレントだけの優雅な旅(エステや食事、買い物ばかりのもの)や

テレビ局が何から何まで世話をしてくれたような、大名旅行だ。


また、ベトナムを訪れる企画は割りとマメにチャックしていて

加藤茶加藤晴彦相田翔子の「(秘)若返りツアー」

赤井英和飯島愛ケインコスギの「世界地引網漁」

石塚英彦・ウエンツ英士の「突撃ほかほかご飯隊!」

中尾彬はしのえみ・(山崎トオルソニン)のツアーなどなどあったが、


今回の東野・岡村の旅猿ベトナム旅行モノの中でもなかなかのものだった。

「プライベートでごめん!」というサブタイトルにふさわしいものだった。


まず、東野・岡村という組み合わせが面白い。

島田紳助という大物もいなければ、今田耕治という同期もいない。

つまり、抑える人が誰もいない状態の東野はやりたい放題。


ベトナムで「インドカレーが食べたい」と駄々をこね

メコン川の支流を小船で行く「ジャングルトリップ」はあまりのつまらなさに失望してへそを曲げ

ハロン湾で水上生活を営む子供達との触れあいは、断固拒否し、そのまま船で逃亡する。

むやみにベトナムを褒め称えたり、笑顔を見せたりすることなく

「嫌なもんはいや、まずいもんはまずい」とはっきり言う東野。

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一方の岡村隆史、『めちゃイケ』などのロケ物ではハイテンションではしゃぎまくる岡村だが、

この旅では東野をなだめることに終始している。

プライベートでは大物に可愛がられているものの、テレビでは割とリーダー的な立場に立ち、

進んで笑いをとろうとすることが多い岡村だが、

東野と2人となると、まったく笑いにこだわらず、東野をたてていた。

なかなか新鮮な画である。

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さて、この旅行

もちろんテレビで流すのだから、スタッフも同行するし、ある程度テレビ側からの提案もあるのであるが

スタッフはたった2名でカメラはハンディ、しかも特にベトナムに詳しいわけではない。


よって、東野はガイドブックを読んであれがしたい、これがしたいということをストレートにぶつけていく。

スタッフや岡村は「それはちょっと・・・テレビ的に・・・・」と渋ると

東野はストレートに不貞腐れる。

それがそのままテレビに流れてくる。

おもろい。



東野は自分でガイドブックを見て、行きたい場所を示す。

岡村は東野のガイドブックを覗き見し、「特に見所はないって、書いてますよ」と提言

そして実際に訪れると、本当に見所がなく、そのまますぐにUターンする羽目に。

おもろい。

旅って、実際にこんなもんだ。


2人が止まるホテルは20USDほどのミニホテル

しかも岡村と同室

まさにプライベート旅行!


屋外で食べたフォー(ベトナムうどん)はまずいといって残し、

ボートトリップ中のランチは突然のスコールで中止となり、バナナで凌ぐ

スタッフが「東野さん、これやってください」という注文に一応答えるものの

普段、刺激に満ちた芸能生活を送る東野には普通の観光はあまりに刺激が薄く、

表情は見る見るうちに曇っていく。


いや、正直でよろしい。

旅って本当にそんなもんだ。

わざとらしくはしゃいだりするタレントが多い中、東野のリアクションは実にリアルだ。


また、ベトナムでツアーに行くとつきものの、しつこい物売りのおばちゃんにちゃんと腹を立てる東野

バイクタクシーなどの交渉も自分でこなし、見事にボラれる東野

ものすごいバイクの波に、道路が渡ることができず、ビビる東野

すげ笠にベトナムTシャツという、典型的な旅行者スタイルで町を歩く東野



厳密な意味ではプライベート旅行ではないものの、

これまでの芸能人の旅企画の中では

一番、実際の旅行者に近いのではないか。

テレビを見て、「ベトナムって、意外におもしろくないかも?」と思った人がいたら

それは正解だ。

できるだけお金を使わずに旅行する人にとって、旅は失敗の連続

芸能人がテレビでしているような体験は望むべくもない。


東野・岡村の旅猿」、今回が第三弾で、初のゴールデンタイム放送らしいが

第四弾もぜひ期待したい。

これは中身が子どものまま育ってしまった男たちの、リアルなバカ旅行の記録だ

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