俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

スキャットって・・・いいよね

先日、エレファントカシマシのことをブログに書いたら「『歴史前夜』って曲もいいですよ!」とのコメントをいただいた。Yahoo!ブログからHatena Blogに移ってから初めていただいたコメントだったので嬉しくなってYouTubeで見てみたら、確かにすばらしい動画だった。

で、改めて思ったんだけど、このスキャットって・・・いいよね・・・

歴史前夜 - Twitter Search / Twitter

この曲は2003年にエレファントカシマシROCK IN JAPAN FESTIVALで披露した曲だそうで、一切の歌詞がなくスキャットで披露されている。タイトルもなく、ステージ初披露だったそうで、当時のお客さんは相当ぽかんとしたと思う。「悲しみの果て」や「今宵の月のように」といったヒット曲を期待していたら全然知らない曲を演奏し始めて、何か歌っているようだけど何言っているかわからない。フェスにはファン以外の人もたくさんいただろうから「もしかして外国語?」と思った人もいたかもしれないし、「活舌が悪いのかな?全く聞き取れないぞ」と思った人もいたかもしれない。

僕は40代、50代の円熟味を増した宮本さんの魅力を知った上で令和に動画で観たので「お~かっこいい!」と思いながら見られるが、当時観客席にいた人は相当戸惑ったと思う。現に映像にもいまいち乗り切れずに呆然としているような観客や唖然とするスタッフが映っている。

のちに『扉』(2004年)というアルバムの中に歌詞の付いた「歴史」という同じメロディの曲が収録されたことからこの時のスキャット版は「歴史前夜」とファンの間で呼ばれるようになったらしい。またこの時のライブは新曲ばかりを披露し、ヒット曲を演奏しなかったことで結構叱られてしまったのだとか。Rockですね。18年前のまだ反骨心たっぷりのロックスターの姿がそこには映っています。

何度か聞くとこの時のパフォーマンスは実に味わい深い。歌詞はないが、なんだか少年時代の自分の歴史を静かに振り返り、「そして今も俺は歴史を作っている!」「まだまだこれからだ!俺たちが歴史を塗り替えるんだ!」というようなワクワク感を感じる。ベースのドドドドドドドドという音が心臓の鼓動のようでもあり、振動のようでもある。何か革命前夜のドキドキがどんどん増していき、サビになってさらに疾走感が増していく。「いくぜ!俺たちで歴史を作ろう!」と言われているみたい。これ、ドラマとか映画とかにもぴったりだな。不思議な高揚感がある。

エレファントカシマシ 歴史前夜 - YouTube

で、当然「歴史前夜」を聴くと、本編の「歴史」も聴いてみたくなるのだが、ネット上では「歌詞がないほうが良かった・・・」と酷評の嵐。どんな曲なんだろうと逆に興味がそそられて本編の「歴史」を聴いたみたら・・・・ははは・・・納得です。ま、宮本さんらしいといえばらしいのかな?

歴史 - YouTube

 

ちなみに、僕はお気に入りの動画の中に、歌詞抜きの歌唱のものが結構あって、改めて「俺って、スキャット好きなのかもしれない」と思った次第だ。

僕は昔、即興劇を習ったことがあるのだが、その時に「日本語や外国語など意味のある言葉を使わずに表現をする」という練習があった。それが想像以上に難しく、どうしても「パパラピポー」「バブバブー」みたいな単純な音の繰り返しになったり、感情が全く伝わらなかったりしてしまう。だからスキャットの難しさもなんとなくわかる。「ルルルー」や「ラララ―」だけでなく、言葉にありそうでない音の羅列で歌うことって本当はすごく難しい作業だし、それで感情や意味、イメージを伝えることはさらに困難だ。

 

僕が特に「すげぇ」と思ったのが玉置浩二さん。Kinki Kidsのために即興で曲を作った時の映像が大好きで、何度も観ている。

【驚愕映像】玉置浩二さんが秒でたかみなを泣かしてしまう《みなさんチャンネル登録ありがとうございます✨》 - YouTube

玉置さんはこの”スキャット”の達人らしく、J-POPアーティストの中では随一と言っていいと思う。

玉置浩二 進化の軌跡 2015〜2019 田園 スキャット - YouTube

ASKAと玉置浩二のお遊びを、お楽しみください。 - YouTube

 

もう一つはSuperflyさんの「Ah」

これも最初に聴いた時の衝撃はすごかった。

「あ」だけで歌っているのに、優しさ、慈愛の深さ、壮大さ、はかなさのようなものが自然に伝わってくる。Superflyさんの表現力に脱帽だ。今、ネット上には歌の上手い女性ボーカリストやら歌ウマキッズなんかの動画がたくさんバズっているけど、Superflyさんはちょっと次元が違う気がする。本物中の本物。歌ウマを自称する人たちはぜひともチャレンジしてほしいお手本のような動画。そういえば平原綾香さんなんかもレコーディングの時はまずはスキャットで歌うとテレビで言っていたな。言葉(歌詞)があることで却って表現力が弱くなってしまうことがあるのかな?Superflyさんの「Ah」は歌詞ありもいい曲なんだけど、僕はなぜか歌詞なしのほうを何度も聞きたくなる。歌詞がないほうが聴く側に色々なイメージを持たせる自由を与えてくれている気がする。

Superfly 『Ah』Music Video - YouTube

 

『歴史前夜』もそんなパフォーマンスだったように思う。

でも僕が人に勧めるときにはやはり「『歴史』のほうは聴くなよ。『歴史前夜』だけにしておけ」と言うだろうな。森鴎外のファン以外には。

友とコーヒーと嘘と胃袋

Mr.Childrenのアルバム『Q』に収録されている「友とコーヒーと嘘と胃袋」

僕にとってミスチルの楽曲の中で一番といっていいほどお気に入りの曲だ。

僕は「俺よ、男前たれ」というタイトルで2008年からブログを書いているのだが、このタイトルも「友とコーヒーと嘘と胃袋」の歌詞にある”だから胃袋よ 僕の胃袋よ もっと強靭たれ もっと貪欲たれ なんだって飲み込んで なんだって消化して 全部エネルギーに変えてしまおう”という歌詞に影響を受けて作ったものだ。

あの頃僕は、まさにこの歌詞にあるような男だった。

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ああ風の噂で君の話を聞いたんだよ。結婚はしたけれどあまり幸せではないらしい。ぼくにだってそれなりに守る生活があるから 何をしてあげれるというわけじゃないけど 友よ 友よ 友よ

<出典>友とコーヒーと嘘と胃袋/Mr.Children  作詞:桜井和寿

歌の解釈はいろいろある。この”友”が男性なのか女性なのか。

僕は最初に聴いた時から”女性”と捉えていた。それも学生時代に好きだったクラスメートの女の子。高校時代、淡い恋心を抱き、白い半そでシャツから透けるブラのラインを眺めながらいけない妄想までしていたのに、結局背の高いバスケ部員にとられてしまったあの子。数年後同窓会でバツイチ子持ちになったことを知り、その夜「今ならチャンスじゃね?いきなり一児のパパになるのもありか?」なんて一瞬妄想したけど自分がフリーターであることを気づき、「いやいや無理無理・・・」と思い直したあの日。今、あの子は幸せに暮らしているのだろうか?娘さんはいくつになったのだろうか。

友よ・・・友よ・・・友よ・・・

ああ男もまた女によって変わるんだな。最近は紅茶よりもコーヒーを飲んでるんだよ。あの子の吸うタバコの口の中の残り香と 苦いコーヒーとの相性がとてもいいから 飲むよ 飲むよ 飲むよ

<出典>友とコーヒーと嘘と胃袋/Mr.Children  作詞:桜井和寿

30代になってタイの風俗にはまっていた僕は、フリーターとして3~4か月必死になって働き稼いだ金を握りしめ、年に3~4回魔都バンコクにいざなわれていた。自分はめちゃくちゃモテると錯覚させてくれるゴーゴーバーで、タバコとにんにくの香りがするタイ人女性のベロの味をコーヒーでかき消したあの頃。

若かった・・・。僕がブラックコーヒーを飲むようになったのもあの頃だったろうか・・・。

そう今年の僕の運勢はとてもいいんだな。下らないB級雑誌に書いてあったけど 信じることのできそうなくらいのかわいい嘘は なるべく信じてみることにしたんだから

<出典>友とコーヒーと嘘と胃袋/Mr.Children  作詞:桜井和寿

30代前半まではいつか人生を逆転させてやる!いつか成功してビッグになる!なんてことを思っていたが、フリーターが人生で一発逆転する方法は宝くじとかTOTO、BIGくらいしかない。それも外れ続ければ否が応でも現実が見えてくる。とにかくバイトをして家賃と光熱費、国民健康保険を払う単調な毎日。

無宗教で神様なんて信じていないくせに、『めざましテレビ』(フジテレビ系)の「今日の占いカウントダウン」なんかを毎朝見て、ふたご座が最下位だと「またかよ!くだらねぇ!」と悪態をつき、1位だと「ラッキーアイテムがアジフライ?よし今日の昼飯決まった!」なんて上機嫌になって出勤し1日仕事をがんばれたりした。そうやって自分をだましながら1日1日をしのいでいた。

「〇〇さん、さすがっすね」「〇〇さん、結構モテるんじゃないですか?」「〇〇さんにはかないませんよ」「〇〇さんが一番 上の人に信頼されてるんじゃないですか?」

信じることのできそうなくらいのかわいい嘘は ムキになって否定するより、「そんなことねぇよ」と言いつつその日のやる気につなげたほうがいいと悟った。晩酌がうまくなる。

さあ見てみろよ世紀末は遠い過去の話だ。そもそもキリスト教に僕は何の信仰もない。罰当たりと言われてもクジラやイルカの肉も食べる 悲しみも憎しみも愛しさも優しさもいやらしさも・・・食べるよ 食べるよ 食べるよ

 

だから胃袋よ 僕の胃袋よ もっと強靭たれ もっと貪欲たれ なんだって飲み込んで なんだって消化して 全部エネルギーに変えてしまおう

だから胃袋よ ああ僕の胃袋よ もっと強靭たれ もっと貪欲たれ なんだって飲み込んで なんだって消化して 全部筋肉に変えてしまおう

<出典>友とコーヒーと嘘と胃袋/Mr.Children  作詞:桜井和寿

このフレーズ、好きだな。何度鼓舞されたことか。

胃袋とは”肝”なんだな。強い胆力でもある。

何でも飲み込める 何でも消化できる強い胃袋!強い胆力!包容力!精神力!柔軟性!

実際は気も小さいし、心も狭いし、失敗をいつまでも悔やむし、女性の言葉と態度に傷つくし、自分の取り柄のなさに深く落ち込むし・・・

だから胃袋よ!俺の胃袋よ!もっと強靭たれ!もっと貪欲たれ!

これは自分自身へのエールなんだな。”おれ、がんばれ!””おれ、生きろ!”っていう。

 

決して明るい未来が待っているわけじゃないけど、俺が生きているうちに人類が滅亡することもない。だから俺は生きなければならない。家族を養わなければならない。格好悪く立って、バカにされたって・・・働かなければ。

だから胃袋よ!俺の胃袋よ!もっと強靭たれ!もっと貪欲たれ!

そして俺よ、男前たれ!

 

Youthful days

昨日、僕なりに選んだミスチルの最強ナンバーTOP5。

それは僕が25~35歳くらいの頃、金も仕事も地位も名誉も彼女も友達も夢も希望もなかった僕を励まし、慰めてくれた名曲だった。ミスチルの曲の中にも特に童貞感・孤独感の強い曲のように思う。

5位 【es】~theme of es~

4位 横断歩道を渡る人たち

3位 雨のち晴れ

2位 名もなき詩

1位 友とコーヒーと嘘と胃袋

友とコーヒーと嘘と胃袋 - song by Mr.Children | Spotify

僕はアラフィフで、大学に入って初めてミスチルを知った。当時はまだ若かったので「シーソーゲーム」や「everybody goes」なんかを笑って聴けていたし、カラオケで「innocent world」なんかをみんなでさわやかに歌っていたように思う。

しかし大学を卒業後、フリーターになったあたりから人生に暗雲が立ち込めてきた。同級生がみな正社員として汗を流す中、僕は一人警備員や牛丼屋で小銭を稼いでいた。別に役者を目指しているとか声優になりたいとか夢があるわけじゃない。なのにフリーターになった。

「俺、大学まで行ってなんでフリーターやってんだろう?俺の人生、どうなるんだ?このまま落ちぶれちゃうのか?まじで?かつて神童だったこの俺が?」なんて将来への漠然とした不安を抱えながら炎天下に誘導灯を振っていた。

「え?俺、このまま一生フリーターなの?ずっとこの生活が続くの?そんなら終わりにしちゃったほうがよくない?」なんてことを考えながら、牛丼屋の厨房の床をブラシでこすっていた。

 

5位【es】~Theme of es~

「あ~あ、長いレールの上を歩む旅路だ」

おもしろくもないアルバイトに毎日毎日向かい、ため息をつきながら歌ってたな。

風に吹かれれば倒れそうな心のバランスを取りながら・・・

「あ~あ、答えなんてどこにも見つからないけど、それでいいさ。流れるまま進もう」

「何が起きても変じゃない そんな時代さ 覚悟はできてる」

いやいや、このままフリーターなんて最悪だ。覚悟なんて全然できてないし!

でもどうすればこの地獄から抜け出せるかわからんし!なんで俺だけ?!幸せな奴みんな死ね!俺を残してみんな死ね!(そう20代の頃は思ってた。病んでたな・・・)。

「甘えや嫉妬やずるさを 抱えながら誰もが生きてる」

「それでも人が好きだよ そして あなたを愛している」

当時の僕には”あなた”に該当する人はいなかったけどね。いたとしてもフリーターの身でそのセリフは言えなかったろうな・・・・

 

4位「横断歩道を渡る人たち」

横断歩道を渡る人たち - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

 

3位「雨のち晴れ」

「単調な生活を繰り返すだけ そんな毎日もいいさ 親友との約束もキャンセルして 部屋でナイターを見よう」

30代になっても僕はフリーターだった。「単調な生活を繰り返すだけ」そんな毎日に慣れすぎてもう考えるのが面倒になっていた。

「最近じゃグラマーな娘に滅法弱い 男ってこんなもんさ 新人のマリちゃんに言い寄ってもまるで手ごたえがない」

あの頃、もてなかったな。好きな人に告白する勇気も、気に入った女性を口説く度胸もなかった僕は毎日自慰ばかりしていたな。

「”お前って暗い奴” そう言われてる。幼少の頃からさ 1DK狛江のアパートには2羽のインコを飼う」
 
はあ桜井さん、あんた俺の生活をのぞき見してたのか?なぜこうもリアルに俺を描く?頼むからモデル料を振り込んでくれ。
 
「もういいや、もういいや、疲れ果てちまった。そう言って、そう言ってここまで来たじゃないか。」
「イメージはいつでも 雨のち晴れ いつの日には 虹を渡ろう!」
 
本当にきついフリーター時代を乗り切れたのは桜井さんのおかげ。
やまない雨はない。イメージはいつでも”雨のち晴れ”!
 
2位「名もなき詩
もちろんメロディも素晴らしいし、和久井映見さん主演の月9ドラマ『ピュア』の主題歌として大ヒットした。さらに大サビ前の早口パート(「成り行き任せの恋に落ち時には誰かを傷つけたとしてもそのたび心痛めるよな時代じゃねぇ」)をカラオケで歌いまくった人も多いはず。
僕はやはり随所随所に出てくる桜井さんのワードセンス!これがもうたまらない。
 
「知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中でもがいてるなら 僕だってそうなんだ」
”自分らしさの檻”!いや~~~~もがいてた!桜井さんもかい?奇遇ですねぇ~僕もです!
 
「君のしぐさが滑稽なほど 優しい気持ちになれるんだよ Oh Darling 夢物語り あ会うたび聞かせてくれ」
いや~、男って同じだよね。特にモテない男ほど天然ちゃんに弱い。ドジな、かわいい、すきの多い女の子を助けたくなる。当時の僕がまさにそうだったな・・・。青いお猿さんだった・・・
 
「だれか思いやりゃあだになり、自分の胸に突き刺さる」
はぁぁぁぁ・・・痛い・・・。
モテない意気地なし君はえてしていい人を演じる癖がある。下心を押し殺して女の子の愚痴とか悩みなんかを親身になって聞いてあげたあげく「聞いてくれてありがとう!私、彼氏と仲直りする!」なんて急に言い出して、「彼氏いたんかい!やり直すんかい!」と思いながらも「がんばれ」なんてカッコつけて言って夜に一人枕を濡らす、なんてことがよくある。
桜井さん、あんたえぐりすぎだよ!でもまぎれもなき名曲

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素人が選ぶMr.Children最強ベスト5

ちょっと前に『関ジャム完全燃焼』(テレビ朝日系列)で、「プロが選ぶ豪華アーティストの最強ベスト10」という企画があった。番組推薦の音楽のプロ56人が、あいみょん、嵐、宇多田ヒカルスピッツ星野源、B'z、DREAMS COME TRUEMr.ChildrenOfficial髭男dismの楽曲の中から5曲を選び、独自にTOP10をランキングする企画だ。

実際のランキングはびっくりするぐらい妥当というか、面白みがないものばかりだったが、ミスチルのランキングだけは個人的には納得がいかず一言書かずにはいられなかったので今日はそれを書きたい。

関ジャムゴールデンスペシャル!よかったよ~! | マシヌンゴ モッコシップンデ(*^з^*) おいしいもん食べたいねんけど(*^з^*)

1位Tomorrow never knows、2位innocent worldくらいは「まあ、そうだろうな」という感じ。でもいくら音楽のプロ目線とはいえ、ダブルミリオンセラーの「名もなき詩」をTop10にも入れないって・・・ちょっと考えられない。

 

僕は今回の企画、ものすごく楽しみにしていたのである。実はこの放送の前のレギュラー放送に「SP直前企画」と題し、小出裕介さん、ピエール中野さん、丸谷マナブさんが自身のミスチルTOP5を発表していたのである。その時は「ロードムービー」「君が好き」「Youthful days」「Any」「あんまり覚えてないや」などが入っていて「うぉ~興奮してきた。こりゃ黙って見てられねぇぞ!」と熱くなったのだった。「ロードムービー」!あの曲を選んでくれる人がいるとは!僕も大好きな曲で、昔、夜中に原付に乗ってエロビデオを返しに行くときに鼻歌で歌ってたなぁ。「汗ばむ季節 君が見せてくれた情熱!」「ファミレスの裏の野良犬が見てたKISS!」「街灯が2メートル先の未来を照らし、オートバイが走る・・・」「等間隔で置かれた闇を超える快楽に もう少しスピードを上げて もう一つ次の未来へ」。本当に桜井さんのワードセンスは抜群!

ロードムービー / Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001 - YouTube

プロならでは目線でこういうマニアックな曲を選んでくれるなら相当面白いランキングになるはずだと期待していたのに・・・・実際はめちゃくちゃベタだったのである。その後の放送で「実は音楽家の〇〇氏はこんな曲を選んでいた!」みたいなオムニバス的な企画があるかと思ったらそれもなかった。なんとも肩透かしだったのだ。

 

しかし仕方がないといえば仕方がない。350以上あるミスチルの楽曲の中で一人5曲ずつしか選べないのである。当然ミスチルの定番・大ヒット曲をしぼってしぼって3曲くらい、個人的に好きなものやアルバム曲を2曲くらい選ぶしかない。

で、自分でも5曲選んでみたのだが、これがまあ大変。ただでさえ多いヒット曲から5つ選ぶだけでも大変なのに、個人的に好きなアルバム曲もたくさんある。いやはや、これは今回の企画に協力した音楽のプロの方たちに謝らねば(実際プロのアーティストは9組のアーティストそれぞれのTOP5を選んでいるので相当大変だったと思う)。

 

以下、私のベスト5

 

5位 【es】~theme of es~

 

4位 横断歩道を渡る人たち

 

3位 雨のち晴れ

 

2位 名もなき詩

 

1位 友とコーヒーと嘘と胃袋

 

これを選んでみて、思ったこと。

それは20代、30代の時、あまり人生が上手くいってなくて、一人で悶々としていて、金も定職もなく、友だちも彼女もない、明るい未来も見えず、ただその日一日を何とかしのいで生きていたあの頃の記憶。だからといって自暴自棄にもなれず、楽観もできず、なんとかしなきゃと思いながら何をしていいかわからず、とりあえずオナニーだけは欠かさずしていたあの頃、僕はミスチルを聴いていた。そして桜井さんの作る歌になんとか励まされ、命を紡いできた。

僕が選んだ曲はまさにその当時聴いていた曲で、男の葛藤が実に巧みに表現されている。「HERO」とか「Sigh」とか「HANABI」を選べないあたりに僕の若かりし頃の苦労が伺える。

 

いきものがかりの水野氏の言葉

30代、40代の男性はミスチルの前で冷静になれない”

とはまさに至言。

よし、もう少し書いてみよう。

もう一度、阿佐ヶ谷姉妹を

マツコ会議』(日本テレビ系)にて紹介された”阿佐ヶ谷姉妹のモーニングルーティーン”動画が気になって気になって、一生懸命探したのであるが見つからなかった。どうもその動画は番組企画で撮影され、2019年頃限定公開されていたもので今はもう見られないそうな。

この”モーニングルーティーン動画”、実に人気のあるジャンルのようで、人気Youtuberともなると100万回、200万回再生は当たり前、中には「Rola Official」(515万回再生)、「ヴァンゆんチャンネル」(727万回)、「THE ROLAND SHOW」(833万回再生)なんてものもある。でも僕が見たいのはあくまで阿佐ヶ谷姉妹。その他大勢のモーニングルーティン動画は一切再生することはなかった。

それにしてもなぜにそこまで阿佐ヶ谷姉妹に・・・

心の底から笑顔になれた」「悩みとか吹っ飛んでいく」 阿佐ヶ谷姉妹の“モーニングルーティン動画”が200万回再生の大反響 - ねとらぼ

ちなみ僕が阿佐ヶ谷姉妹のことを最初にブログに書いたのは2009年。阿佐ヶ谷姉妹がデビューして2年目、少しずつテレビに出始めたくらいのころだった。

私の周りの阿佐ヶ谷姉妹 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

あれから12年。阿佐ヶ谷姉妹は今も変わらず第一線で活躍を続けている。しかも売れ方がほとんど変わっていない。実はこれって本当にすごいことだ。とんねるずさんの「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で優勝した後も、女性芸人のコンテスト「THE W」で優勝した後も、仕事は増えたが大ブレイクとまではいかなかった。冠番組はないし、レギュラー番組も数えるほどだ。それでも消えないのは事務所(ASH&Dコーポレーション)やマネージャーの大竹さんの戦略、唯一無二のキャラクター、歌や演技のスキル、そして本人の努力や品の良さなど理由があるのだろう。

 

それにしてもあの阿佐ヶ谷姉妹が令和の若者にも受けているのがおもしろい。

きっと僕も感じた「あるある」「いるいる」を阿佐ヶ谷姉妹に感じているのだと思う。「細かすぎて~」で優勝した時のネタは本当にすごかった。歌ネタを封印して新たな境地を見いだしたような感じだった。

ご近所にいる人【ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ】 - YouTube

阿佐ヶ谷姉妹 玄関を開けたらいる人 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 - YouTube

本人たちは「おばさんがはしゃいでいるだけ」と謙遜をするが、”だけ”ではないのがやはりすごいところ。阿佐ヶ谷姉妹より年上の大久保佳代子さんやいとうあさこさんは阿佐ヶ谷姉妹と同じおばさんネタはできないし、島田珠代さんとかエドはるみさんなんかは本当に「おばさんが無理してはしゃいでいるだけ」という感じに見えてしまう。同年齢の女性が笑いを取ろうと体を張ると、痛々しさが際立ってしまうのが常だが、今の阿佐ヶ谷姉妹は違う(実は昔のネタはちょっと無理していた)。

やはりそこには常に”品”があるのが東京および関東でウケる理由なのだと思う。だからこそ『有吉の壁』(日本テレビ系)ではしゃいでいる姿がおもしろいし、モーニングルーティーンのちょっと油断した姿がかわいい。特に姉・江里子さんは歌唱力、演技力、創作力といった秀でた芸・才能を持っているのを知っているからこそ、何をしても見ていて痛々しさも嫌悪感もないし、二人を自然に受け入れてしまう。唯一無二、オンリーワンの女性コンビ。それが阿佐ヶ谷姉妹

【有吉の壁】《サバゲー場に潜んで即興ネタ》阿佐ヶ谷姉妹、バギーで爆走WWWWWWWW - YouTube

クスッと笑えて心から癒される・・「阿佐ヶ谷姉妹のモーニングルーティン」が面白いと話題に! | FUNDO

これだけ売れていたら、それなりに収入もあるはずなのに、なぜか生活レベルや庶民感覚もずっとキープしているのが本当にすごい。庶民的に見えて実は家賃30万くらいのところに住んで高いものを食べているベテラン女性芸人や高級車を乗り回しタワマンに住む第7世代の芸人もいる中で、阿佐ヶ谷姉妹の変わらなさは奇跡だ。本当に事務所にギャラを搾取されているんじゃないかと思えてくる。

が、この”庶民感覚”は阿佐ヶ谷姉妹の生命線。なんだかんだいって視聴者は阿佐ヶ谷姉妹を見下していられるからこそ、阿佐ヶ谷姉妹を楽しみ、「癒される」「かわいい」「うらやましい」なんてことを言っていられるのだ。阿佐ヶ谷姉妹がみじめを演じれば演じるほど視聴者は喜び、おもしろがり、彼女たちに仕事を与える。

彼女たちは懐刀を磨きつつ、「結婚できない仲のいいおばさん達」「阿佐ヶ谷のアパート暮らし」「人の好い、ちょっと抜けたかわいいおばさん」を演じる限り、阿佐ヶ谷姉妹はまだまだ活躍し続けられると思う。

まあ、その間にえげつない額の貯金をしているのだろうけど・・・。

 

「なりたい顔ランキング」1位は・・・あの人でいいんじゃね?

『第15回女性が選ぶ”なりたい顔”ランキング』(ORICON NEWS)が発表され、女優の新垣結衣さんが3年ぶりの首位に返り咲いたそうな。

このランキング、この10年くらい顔ぶれが変わっていないようで新垣結衣さん、北川景子さん、石原さとみさん、綾瀬はるかさん、深田恭子さん、石田ゆりさん、井川遥さんあたりが大体入るらしい。もちろん15年の間新顔も入るし、ORICON以外のランキングではまた別の人がランクインすることもあるが、「なりたい顔」の代名詞と言えば北川景子新垣結衣

まあアンケートは調査方法、調査対象、調査人数などによって左右されるし、このランキングはORICONのアンケート会員さんである10代から50代までの女性500人に聞いた調査なのである程度固定してしまっているのかもしれない。

ただ他の多くの日本人も街中で急に「”なりたい顔”といったら?」って聞かれたら「ああ、あのランキングですよね。北川景子さんとか新垣結衣さんとかですか?」なんて答えると思う。もう・・・”そういうランキングでしょ?”という感じ。

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実はこの20年くらいの日本人の中で刷り込まれているランキングというものは他にもある。

「”抱かれたい男”といえば?」

「”抱かれたくない男”といえば?」

「上司にしたい有名人といえば?」

「好きな芸人といえば?」

「嫌いな芸人といえば?」

「喧嘩が強そうな有名人といえば?」

「実写版”峰不二子”といえば?」

「おしどり夫婦といえば?」

 

こんな質問をされたらみなさんはどう答えますか?もちろん、それぞれの好みはあるでしょうし、自分が個人的に好きな人を選ぶ人もいるでしょう。時間をかけてじっくり選ぶ人もいるかもしれない。

でも「なんか真面目にアンケートの答え考えるのめんどくせーな。このランキングって、いつもあの人たちが入るやつでしょ?じゃ、それでいいんじゃね?」と適当に書くとしたらだれが思い浮かびますか?

 

抱かれたい男といえば・・・ひと昔前なら木村拓哉福山雅治さんあたり

抱かれたくない男といえば・・・出川哲郎さん、江頭2:50さんあたり。

上司にしたい有名人は男性なら北野武さん、イチローさんあたり、女性なら天海祐希さんかな?

好きな芸能人は昔はさんまさん、今はサンドウィッチマン

嫌いな芸能人は昔は出川さん、江頭さん、ちょっと前は品川祐さん、西野亮廣さん、今は坂上さん、クロちゃんあたり?

喧嘩が強い芸能人、実写版”峰不二子”もそれぞれ「あの人だよね」と思い浮かぶ人がいるのではないか。

なんかもう出来レースというか、毎年同じようなこと聞いて何になるの?という感じがする。かといって「いっしょにカラオケに行きたい芸能人ランキング」とか「同僚になって朝まで一緒に酒を飲みたい芸能人ランキング」なんて聞かされても「だから何?」という感じだろうしね。

結局「なりたい顔ランキング」なんていうものを毎年やるのは、それなりにテレビの芸能ニュース、ネットの記事、女性のおしゃべりの種になるからなんだろうし、それに対して「本当にその顔になりたい?なったら大変だよ」なんてムキになって反論しても仕方がない。

でも10年ランキングが変わらないのはやはり異常だし、絶対「このランキングはこういう人が選ばれるもの」っていう固定観念・偏見があるだろうし、そんなランキングなら毎年はやらなくてもいい気がする。

 

ちなみに男性はランキングの入れ替わりが割と多いらしいので毎年やったらよろし。

僕はもうアラフィフなので、身長が180センチ以上になったうえで阿部寛さんのような特濃ソース顔になりたいっす。

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『定額制夫のこづかい万歳』万歳

最近、若い人の景気のいい話をよく聞く。

Youtuberのはじめしゃちょー(28)が3億円の家を買ったとか、同じくYoutuberで格闘家の朝倉未来氏(29)が3100万円のベントレーをファンに売って5000万円のフェラーリを買ったとか、モデルの藤田ニコル(23)さんも700万円のベンツを買ったとか、メンタリストのDaigo氏の年収は18億とか・・・

そんなネットのニュースを好き好んで見ておいて、勝手に落ち込むアラフィフの僕が最近ハマっているのは『定額制夫のこづかい万歳』。

本当に心の救い・・・

定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(1) (モーニング KC) | 吉本 浩二 |本 | 通販 | Amazon

僕は生まれてこの方、お金に余裕があったことがなかった。男3人兄弟で3人とも大学に行った(しかも二人は私立。二人は要仕送りだった)から子供の頃、実家もカツカツだった。両親も「あの頃が一番(お金が)大変だった」と言っていたな。

大学卒業後、僕は正社員にならなかったのでやっぱり生活はカツカツ。「ウチの実家は貧乏だとばかり思っていたけど、家建てて自分の店持って子ども3人大学に行かせるって、うちの親スゲェな・・・とてもじゃないが俺にはできんな・・・」と思ったものだ。

藤田ニコルさんが700万円のベンツを買った年齢の時、僕は大卒フリーター(月収17万)だった。朝倉未来が5000万円のフェラーリを買った年齢の時、僕は年収200万ほどだった。

20代の頃、もし大金を手に入れていたら、僕は今頃、どんな人生を歩んでいたのだろう?まあ90年代はYoutubeはおろかSNSもなかったし、バブルもはじけたばかりだったので、20代の若者が一発当てるって芸能人かスポーツ選手になるくらいしか方法がなかったからいずれにせよ無理だったが・・・まあ、人生やり直しはきかないので考えてもしかたがない。

でも今(令和3年)、景気のいい若者のニュースをよく耳にする(というか、この手のネットニュースを見つけるとついクリックしてしまう)が、若くして大金を手に入れるとどんな気持ちなんだろうな・・・やはり天下を取った気分なのかな?なんでも手に入るような、だれもが自分を知っているような、やりたいことは大体実現できるような・・・そんな気持ちになるんだろうか。そりゃ調子に乗るわな。ネットで炎上・謝罪をする人もよく目にするが、若くして大金を手に入れたらそりゃ誰だって謙虚さを維持できないよ。周りもちやほやしてくれるしね。ぼくだって絶対バカな失敗をしてると思う。

スーツで謝罪動画をアップしたYouTuber一覧と不祥事の理由

僕にはもう宝くじ以外で人生を逆転できるチャンスもないし、宝くじが当たる確率を考えれば、もう貧しい老後を迎えることの方が確実。だからこそ胸に響くのが『定額制夫のこづかい万歳』なのだ。

作家の吉本浩二さんの実話だと思うが、マンガ家として生計を立てる主人公は妻と子供二人の4人家族。生活は決して楽ではなく夫のこづかいは月21000円、妻は7000円。その定額でいかに人生を楽しむかが描かれている。

(以下ネタバレ有)

僕が特に感心したのは主人公とその幼馴染がオンライン飲み会をする会だ。昔話をしながら「子供の頃はなぜあんなに楽しかったのか、10円の駄菓子がなぜあんなに旨かったのか」という話になる。

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すると友人は「制限されていたからだ」と答える。お金がなくて、ガマンして、耐えて耐えて・・・やっと買えたからおいしかったのだ、と。最初は5万円だった小遣いが今は1万5千円になったが、たまに飲み屋で飲む酒が5万円の時と比べてやたら旨く感じるという。

ああ・・・そうだろうな・・・。

僕は38歳の時に結婚したのだが、結婚する前のほうが制限が多かった。昼飯は500円以内と自分で決めていたのでより安い弁当を求めて勤め先の周りを歩き回ったし、夕食も100円ローソンで材料を買って数百円で済ましていた。

250円弁当 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

100円ローソンの袋詰め - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

今は嫁が用意してくれたものを食べるのみだが、確かに独身時代に食べてたもの、旨かったよなぁ。

独身時代、金曜日の仕事帰りにスーパーで買った割引の総菜と晩酌で飲んだ缶チューハイ

当時ご飯、みそ汁、漬物、のり、生卵が食べ放題だった「さくら水産」の500円ランチ!

当時カレーコロッケが2個も乗っていた小田急線の立ち食い「箱根そば」のコロッケそば!

真夏の外回りで汗だくになった後に自販機で買って飲んだMAXコーヒーのロング缶!

MAXコーヒー&UCCミルクコーヒー - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

いいな、いいな。

あれ、旨かったよな~。今それらを口にしても同じ味はしないんだろうな~。

あれ?でもおかしいな。今、俺お小遣い15000円なんだよな。かなり制限があるはずなんだよ。でもあまり不自由感じてないな。きっと飯代が浮いた(朝晩はうちで食べるし、昼は弁当だし、飲み物も職場で水かインスタントコーヒー)のとエロに対する出費が減ったからだろうな。もともと大酒、たばこ、ギャンブルはやらないし、金のかかる趣味もないしね。

自分へのご褒美 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

『定額制夫のこづかい万歳』、子供の受験とか、筆者の老後まで描いてくれないかな?そうしたら売れっ子Yutuberのように若くして成功者になれなかった僕らおじさんたちの生涯のバイブルになるのに・・・。